渋谷区ラブホテル規制条例の要件

渋谷区ラブホテル規制条例では、ホテル等のうち、もっぱら異性を同伴する客に利用させることを目的とするもので、構造及び設備が次の11項目をすべて満たしていない場合は、「ラブホテル」とみなされます。

番号 施設・構造及び設備
1 営業時間中に自由に出入りすることができ、フロント及びロビーを見通すことができる玄関
2 カーテンその他の見通しを遮ることができる物の取付けにより客との面接を妨げるおそれのない受付、応接の用に供する帳場又はフロント(以下「フロント等」という。)
3 自由に利用することができるロビー、応接室、談話室等の施設(以下「ロビー等」という。)
4 食堂、レストラン又は喫茶室及びこれらに付随する厨房、配膳室等の施設(以下「食堂等」という。)
5 会議、催物、宴会等に使用することができる会議室、集会室、大広間等の施設(以下「会議室等」という。)
6 フロント等から各客室に通じる共用の廊下、階段、昇降機等の施設で、宿泊又は休憩のために客室を利用する者が通常使用する構造
7 ユニットバス(バスと便所が製造工場で一体成型されたものをいう)を備えた18平方メートル以下の一人部屋の床面積の合計が、全客室の床面積の合計の3分の1以上である構造
8 ダブルベッド(幅1.4メートル以上のものをいう。)を備えた客室の数が総客室数の5分の1以下である構造
9 客室の外部に面する窓ガラスが透明ガラスであり自然光を遮蔽するフィルム等が貼りつけていない構造
10 客の性的感情を刺激しない清楚な内装、照明、装置、寝台、寝具、装飾品等の内部設備
11 青少年の健全育成及び附近の住民の生活環境を損なわない素朴な外観

(渋谷区ラブホテルの定義)

 

渋谷区内で簡易宿所の営業許可を取得するためには上記要件をクリアする必要があります。

例えば、外部から(つまり1階から)フロントやロビーを見通せる玄関の設置、レストラン等の設置、会議室等の設置等々、これら全てを個人で運営する民泊施設に設置するとなると、ほぼ不可能です。

つまりは、上記要件を満たさなければラブホテルとみなされることから、簡宿等の許可を取得するにはかなりのハードルがあります。ラブホテルを規制する条例が、結果的に簡易宿所や旅館、ホテルを委縮させてるということですね。

上記要件からみても、新築物件によって簡易宿所の営業許可で民泊を実施することは非常に厳しいといえますので、渋谷区で大規模な民泊を検討することは避けるべきです。

東京都23区内でも、渋谷区ではよりその条例の要件が厳しいといえます。渋谷区内の物件で民泊を実施しようかと検討中の方は、以上の要件を踏まえたうえで予定を立て直す必要があります。なお、渋谷区のラブホテル規制条例はこれでも改正されて多少緩和されました。厚生労働省の通知により旅館業法の運用が緩和されたからといっても渋谷区のラブホテル規制がこれ以上緩和されることはあまり期待できません。