【簡易宿所】客室面積の考え方
簡易宿所床面積の主な基準 | ||
簡易宿所営業 (客室の延床面積33㎡以上) |
簡易宿所営業 (客室の延床面積33㎡未満) |
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客室を多数人で共用する宿泊施設 (カプセルホテル等) |
客室を多数人で共用する小規模な宿泊施設
延床面積は、3.3㎡に収容定員の数を乗じて得た面積以上 |
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客室数 | 多数人で共用しない客室を設ける場合は、その延床面積は総客室面積の半分未満 | 同左 |
1客室の床面積 | 3㎡以上 | 3.3㎡以上 ただし、1客室のみの施設は、6.6㎡以上 |
定員 | 1名あたり1.5㎡以上の有効面積を確保する | 1名あたり3.3㎡以上の床面積を確保する |
(板橋区面積基準)
※ホテルや旅館では1室の広さに制限がありますが、簡易宿所はこれまで一律に「33㎡以上」としていた簡易宿所の面積基準を「宿泊者が10人未満の場合は1人当たり3.3㎡」に緩和されました。(2016年4月1日施行 旅館業法施行令の一部改正)
睡眠や休憩等宿泊者が利用し得る場所を客室といいます。例えば、客室に付属するバス、トイレ、洗面所、踏込み等も含まれます。しかし床の間やクローゼット等これに類する場所は客室から省きます。
客室の面積には客室の有効面積についての基準と、構造部分の合計床面積についての基準があり間違えやすいです。また、測り方も壁芯ではなく内のりで算定します。
壁芯とは壁や柱の厚みの中心線のことで、内のりとは壁の内側のことです。建築図面の床面積は壁芯で測ったもので算出されます。
客室の有効面積については、寝室その他宿泊者の睡眠、休憩等の用に供する部分の床面積を計算することにより算定します。簡易宿所営業で客室の延床面積が33㎡以上の場合、1人当たりの客室有効面積は1.5㎡以上必要です。
こちらも壁芯ではなく内のりで算定します。また寝室その他の宿泊者の睡眠、休憩等の用に供する部分とあるので浴室等水回り部分の面積は含まないですし、通常、人が立ち入らない収納スペース等の壁に作り付けの家具部分も除きます。
客室の有効面積によって採光や換気用の窓の面積も規定されています。
構造部分の合計床面積の基準は、旅館業法施行規則や各自治体の条例によって定められています。この場合、構造部分の合計床面積とは、バス、トイレ等の水回り部分も含めた宿泊者が通常立ち入る部分の床面積の合計を算出した面積です。
面積の算定に当たっては建築で使用する壁芯のものとは異なり、内のりで算定します。
通常は立ち入らないクローゼット等の収納部分、床の間等も算定から除外するので注意が必要です。
きちんと客室の有効面積と構造部分の合計床面積とを分けて考えておかないと、申請書には構造設備等の概要として客室面積の記入欄があるので、記入を誤ってしまいます。
やや細かい規定ですが、大事なところですのできちんと理解しておきましょう。