上乗せ条例を緩和せずフロント設置義務付けを継続

自治体の条例によってフロントの設置を義務付けている条例が存在する限りは、旅館業法の運用が緩和されたからといって、民泊が解禁されたとはいえないでしょう。

京都市等の違法なヤミ民泊が多く運営されている自治体では、旅館業法に関する上乗せ条例においてフロント設備が必置と定められています。そのため、厚生労働省は各自治体に対して、必要に応じ条例の弾力的な運用や改正の検討を要請しています。

ところが、この厚生労働省の要請を無視して条例を従来通り運用する意向の自治体が多いと毎日新聞が報じています。

12道県、13政令市、都内の10区が、条例でフロント設置を求めていた。このうち約半数の18自治体は条例改正や弾力的な運用で要件を緩和する意向だったが、残りは義務化を当面続けるとし、9自治体(2県6市1区)が「条例改正するか検討中」、8区が「条例改正しない」と答えた。フロント設置義務があると、現行の無許可営業の民泊のほとんどは許可を得るのが難しいとみられる。

毎日新聞2016年5月22日

 

毎日新聞の記事では、都道府県は要件緩和に前向きな姿勢が大半ですが、新宿区や渋谷区など東京23区内では改正予定無しとの回答が多くなっています。

(○は条例改正などで要件緩和予定、△は検討中、×は改正予定なし)

<都道府県> <政令市> <東京23区>
北海道 ○
群馬県 ○
神奈川県 ○
新潟県 △
岐阜県 ○
愛知県 ○
三重県 ○
奈良県 ○
島根県 △
徳島県 ○
高知県 ○
宮崎県 ○
札幌市 △
仙台市 △
さいたま市 ○
横浜市 △
川崎市 ○
新潟市 ○
静岡市 ○
名古屋市 ○
京都市 △
大阪市 △
堺 市 ○
北九州市 △
福岡市 ○
千代田区 ×
中央区 ×
新宿区 ×
文京区 ×
台東区 ×
大田区 △
世田谷区 ×
渋谷区 ×
杉並区 ○
豊島区 ×